三冠VS.三冠。日本囲碁界の頂点を占めるのはどっちだ。芝野虎丸名人(20)に井山裕太棋聖(31)が挑戦する第45期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)が25日午前9時、東京都文京区のホテル椿山荘東京で始まる。開幕に向け、24日午後6時からは、両対局者と趙治勲名誉名人を迎え、ネット前夜祭を開催。頂上決戦に向けた抱負や、対局の見通しについて語った。
対局は持ち時間各8時間の2日制。25日夜に打ち掛け、26日朝に再開。同日夜に終局する見込み。
18:00
芝野名人の寝癖、井山棋聖の日課
芝野虎丸名人に井山裕太棋聖が挑む第45期囲碁名人戦七番勝負が25日から始まるのを前に、24日夜、両対局者らが参加したオンライン前夜祭が、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で開かれた。従来の前夜祭では聞くことの出来ない本音や冗談も飛び出し、笑いの絶えない前夜祭となった。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テレビ会議システム「ZOOM」を使った座談会方式での開催という初の試み。参加者は全員同じ宴会場に集まったが、それぞれ一定の距離をとって中継にのぞんだ。
第一部では、両対局者に加え、立会人を務める趙治勲名誉名人が参加。趙名誉名人は、この日の朝日新聞朝刊で、6~7月の本因坊戦で井山棋聖が挑戦者の芝野名人を4勝1敗で圧倒したことから、名人の苦戦を予想。だが前夜祭では一転、「私は日々変化する。今日の顔を見て、虎の勝ちを信じたくなった」。
これに対し、芝野名人は「治勲先生が本因坊戦の話ばかりして気分が悪くなったけど、機嫌を直しました」と笑顔。井山棋聖は「僕の顔がさえない、ということらしいので、明日までにいい顔にしたい」と笑わせた。
両対局者は、ファンから事前に受け付けていた質問にも回答。芝野名人は「名人は急におしゃれになったのでは」との質問に、「注目される機会が増えたので、寝癖は直すように心がけています」。
一方、井山棋聖は「井山さんがあまりに強いので、治勲先生が『井山め!』と、いつも言っている。先生に何か含むところはありますか」との質問に、「自分が治勲先生の記録を破るたび、『腹立たしい』とのコメントを頂いていた。でも、私も今、芝野さんにやられていて、先生の気持ちがよくわかった」と話し、一人で部屋にいる時には「虎丸め!と言うのが日課になっています」と冗談を飛ばし、会場を沸かせた。
両対局者が退席したあとの第二部では、新聞解説を務める高尾紳路九段が登場し、趙名誉名人と一緒にシリーズのスコアを予想。高尾九段は、井山棋聖の4勝1敗と予想。「僕は散々井山さんにひどい目に遭ってきた。僕は小さい人間なので、ほかの人にも同じ目に遭って欲しい。被害者の会でも立ち上げたいくらい」と笑わせた。
これに対し、趙名誉名人は、芝野名人の4勝2敗と予想。「井山さんの本当の強さがわかった今、虎は本領を発揮するはず。今回はすごい七番勝負になる」と期待した。(渡義人)
17:00
芝野名人「やっぱり井山先生が…」
両対局者に一人ずつミニインタビューが行われた。芝野名人の一問一答は次の通り。
――初めての防衛戦ということでどんな気持ちでしょうか
「今回は初めての防衛戦というこ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル